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盛り土のリスクを把握しよう

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先日静岡県熱海市で起きた土石流は、不動産会社が搬入した建設残土の「盛り土(もりど)」が被害を拡大させたと言われています。

ところで、「盛り土」とは具体的にどういったものなのでしょうか。今回は盛り土と盛り土のリスクについてお伝えしたいと思います。

盛り土とは

住宅地を造成するため、傾斜のある谷などを埋めた土地を「盛り土」、逆に斜面の土地を平らにするため地盤面を削り取った土地を「切り土(きりど)」といいます。丘陵地の宅地造成では、傾斜部分の土を一部を削り、その部分の土を下に盛って、ひな段状に宅地をつくります。

このような切土や盛土を含めて、山や丘などの土地を宅地にかえることを宅地造成(たくちぞうせい)といいます。また、宅地造成によってつくられた宅地を造成地(ぞうせいち)といいます。

宅地造成工事規制区域内で、次のような切土・盛土を行う場合には、宅地造成等規制法により都道府県知事の許可が必要になります。

一般的に「切り土」のほうがリスクが少ないと言われていますが、それはなぜでしょうか。

切土は、元の地盤面を削ったので、地盤は全体的に均質で締まっています。それに対し盛土は、元の地盤面の上に新たに土を盛り足すために、元の地盤と盛土部分のふたつの層に分かれ、その境がすべりやすくなります。

盛土部分の土は、細かいすきまがあり、雨水の浸透にともない土が締まるため、空洞が生じて建物を支える力が弱まります。また、締固めが不十分だと不均質になり、盛土自体や地上建物の重みで、沈下の程度が同一でない不同沈下(ふどうちんか)が起きます。さらに地震が起こると、振動で盛土部分が滑り、建物基礎を支持できなくなって建物が損壊したりします。

自分の家はどのような場所にあるのか把握しよう

大規模盛土造成地(だいきぼもりどぞうせいち)

盛土造成地は、谷間や山の斜面に土を盛るなどしてつくられています。このうち、過去の地震時の被害事例から、滑動崩落(かつどうほうらく:盛土の地すべり)の発生が多かった盛土の面積や高さ、盛土をする前の地山(じやま)の傾斜をもとに、大規模盛土造成地が下図のように定義されています。

国土交通省のホームページで大規模盛土造成地の公表状況を調べることができます→国土交通省HP:大規模盛土造成地マップの公表状況等について

一方で盛土の面積が3000㎡未満の小規模なものはマップには掲載されていませんので、自ら危険を感じる場所を探すことも必要です。

盛土の災害から身を守るには

ハザードマップなどでお住まいの土地にリスクがあることがわかったら、下記のチェックポイントを参考に普段から気にかけておくことが大切です。

大切な宅地のチェックポイント

大切な宅地のチェックポイントの画像

そのほかにも、排水口に草が生えたり、穴が塞がれて地下水がせき止められていないか確認しましょう。

もしも異常が見られたら、専門家に相談したり、自治会や町内会と連携して対応を考えたりしましょう。自治体にも懸念を伝えましょう。

自然災害はいつ起こるかわかりませんが、普段からの準備で被害を最小限に食い止めたいものですね。